スキル胃癌ステージⅣの男、富士登山を目指す

抗癌剤治療中ですが、5年後富士登山が出来る様に頑張ります。

『鬼の冠』津本陽

【2018/11/12(月)】

 抗癌剤点滴第4クール開始の予定日だったのですが、先週に続き、血液検査で白血球の値(特に好中球減少)が低く、またもや、来週に延期となりました。副作用が無い期間が延びるので嬉しい反面、12クール終るのが遅くなるのと、自分の身体は大丈夫か?という不安に駆られます。

 でも、まぁ、「慌てず、焦らず、諦めず」をモットーに頑張りたいと思います。

 

 ということで、本日は読書をすることにしました。今、話題の百田尚樹『日本国紀』が届いたのですが、読みたい欲求を抑え、知人からお勧めされた津本陽『鬼の冠』を読了しました。

 人から勧められた本というのは、自分の興味ない分野の可能性があるのですが、思わぬ世界を広げてくれることが有ります。塩野七生ローマ人の物語』で、カエサルが「人は自分の見たいものしか見ない」と。その通りで、自分の興味のない分野、自分と意見が対立している人の本をわざわざ買うことは、ほとんど有りません。私は、自分の世界を広げるためにも、なるべく信頼できる人のお勧めの本を読むようにしています。

 

 さて、『鬼の冠』です。これは、合気道の源流、大東流合気柔術宗家の武田惣角の伝記です。身長150㎝に満たない、小柄な老人が巨躯の猛者を軽々と投げ飛ばしていく、それも80の齢を超えてまで。会津生まれで、1960年生まれと、本ではありましたが、大東流合気柔術の公式HPでは、1859年生まれとなっていました。1943(昭和18)年に亡くなっています。

 西郷隆盛の弟、従道など維新の元勲が出てきたり、明治、大正、昭和の北海道の荒々しさなどが分かり、「へぇー、こんな世界だったんだ」と面白く読めました。

 私自身、大学生から10数年金剛禅総本山少林寺を修練していました。開祖の宗道臣の、伝記もその当時、興味深く読んでいました。開祖宗道臣以上の波乱万丈の生き様に驚きを禁じえませんでした。

 1987/11/30初版第一刷とあるので、31年前の本なのですね。見聞が広まりました。